※ この物語はフィクションです。大麻の所持は法律で禁止されています。大麻で逮捕されることほど悲しいことはない。日本で所持するのはやめましょう。
「おまえと出会ったのは高校のとき~♪」
レゲエDJチェホンの大麻への愛を歌った名曲「みどり」
僕の大麻との出会いも、まさしくそれだった。
一般的な家庭で育った僕は大麻=薬物=悪という認識がもちろんあった。
みんなと同じように。
高校のときにいつも一緒にいた親友のアベ。
アベも僕も高校から親元を離れて暮らしていたので、僕はいつもアベの家に入り浸りだった。
アベは姉ちゃんと2人暮らしだ。
姉ちゃんには彼氏がいた。無口で強面なお兄ちゃんだが、たまに出てくるぶっきらぼうな話は面白かった。。
そのお兄ちゃんが吸っていたもの。それが大麻だったのだ。
はっきり言って何も知識がないので目の前で吸っていても、それが大麻だとかわからないし、ごく自然にあった。
みんなで夜ご飯の鍋を囲みながら、ペットボトルで手作りされた水パイプで吸っている。
お兄ちゃんが言った。
「おまえも吸ってみるか?」
僕は吸ったらやめられなくなり、廃人になるんじゃないかと怖くて断っていた。
しかし、アベの姉ちゃんにも
「大丈夫だよ。安全だよ。」
姉ちゃんは親友の姉だし、結構、立派な大学にも通っているような人で信頼していた。
僕も好奇心から吸ってみることに・・・
「ゴホッ ゴホッっっっっ 」
タバコは悪戯していたけども、吸い方もよくわからないのでむせたのを覚えている。
今思うと、味は美味しいとは思えなかったなぁ・・・
吸った直後は、何が変わったの?という感じだったが、いつの間にか・・・
とにかく喋る、喋る (笑)
元々、おしゃべりな僕なので、本性が出たのか、饒舌になって、その場を盛り上げ、みんなケラケラ笑って、楽しい時間を過ごしていた・・・
アベや姉ちゃんは吸っていなかった。
それが、僕の大麻とのファーストタッチ。
それ以降、大麻を吸う機会はなくなり、もちろんハマるわけなく、しばらく大麻との縁は切れた。
ただ、このファーストタッチで大麻が危険というイメージはなくなった。
抜け出せなくなる、凶暴になるなど僕がイメージしていた大麻は、実際吸ってみると、吸うひとも吸わない人も同じ空間で楽しい時間を過ごしたという事実だけだった。